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2017春ドラマ(4月スタート)傾向と対策、そしておすすめの注目作

小さな巨人


◆『貴族探偵』(フジテレビ/月曜21時/相葉雅紀主演/4月17日スタート)
http://www.fujitv.co.jp/kizoku/
枠内最低視聴率更新中(前作『突然ですが、明日結婚します』の平均視聴率6.7%)の「月9」、起死回生の一発となるか?
目玉は月9枠30周年の豪華キャスト。相葉雅紀、武井咲、生瀬勝久、井川遥、滝藤賢一、中山美穂、仲間由紀恵ほか。
むしろ脇役に実績のある主役クラスを置いているという意味ありげな布陣。
脚本家は『僕のヤバい妻』『ようこそ、わが家へ』の黒岩勉。両作ともトリッキーな脚本で王道とは言い難いが、「気になる展開」の名手。
“主人公が推理せずに謎を解く”ミステリー。小説原作。貴族探偵といえばTBSの失敗作『IQ246』を連想するが…。

◆『CRISIS 公安機動捜査隊特捜班』(フジテレビ/火曜21時/小栗旬主演/4月11日スタート)
http://www.ktv.jp/crisis/index.html
フジテレビ制作のドラマよりも挑戦的な設定が多いにもかかわらず、視聴率的にはむしろ信頼と実績の「カンテレ枠」。
ただし今回は小栗旬×西島秀俊という映画主役級の二人を中心に据えているためか、そのぶんいつもよりはオーソドックスな設定に見える。
「公安×西島秀俊」という配役が『MOZU』とかぶる。石田ゆり子も両作に出ているので既視感が。
カンテレ枠には毎度新境地を期待してしまうが、今回は金曜22時TBSっぽいイメージの本格派路線か。

◆『あなたのことはそれほど』(TBSテレビ/火曜22時/波瑠主演/4月18日スタート)
http://www.tbs.co.jp/anasore/
略称は『あなそれ』? 漫画原作。
《二組の夫婦のマリッジライフと、四者四様に揺れる恋愛模様を描くラブストーリー》とのことで、『カルテット』枠でまたカルテットをやるのかという疑念が。こちらのほうがテーマが明快なので、あそこまでストーリーが散らかることはないと思うが。
しかし『カルテット』に比べると東出昌大、仲里依紗、鈴木伸之というキャスティングは派手さに欠ける印象。

◆『母になる』(日本テレビ/水曜22時/沢尻エリカ主演/4月12日スタート)
http://www.ntv.co.jp/haha/
沢尻エリカ、板谷由夏、小池栄子、藤木直人、中島裕翔ほか。
近ごろコメディ系で好調の日テレ水10枠だが、今回は《今を生きる3人の女性が「母になる」までの物語》というテーマの重さが際立っている。
「母親」経験のある人以外にも観られる内容になるのかどうか、その「入口」が今のところ見当たらない。

◆『警視庁捜査一課9係 Season 12』(テレビ朝日/水曜21時/渡瀬恒彦主演/4月12日スタート)
http://www.tv-asahi.co.jp/9gakari_12/
◆『警視庁捜査一課長 Season 2』(テレビ朝日/木曜20時/内藤剛志主演/4月13日スタート)
http://www.tv-asahi.co.jp/ichikacho2/
この二本はとにかく題名の区別がつかないのでなんとかしてほしい。

◆『緊急取調室』(第2シーズン)(テレビ朝日/木曜21時/天海祐希主演/4月20日スタート)
http://www.tv-asahi.co.jp/kintori/
通称「キントリ」。キンチョウ蚊取りマット以来の「キントリ」。
上記の「警視庁捜査一課」系(怖ろしく狭いくくりだ)二本を含め、テレ朝はとにかく『相棒』の後継を探しているように見える。
でんでん、大杉漣、小日向文世という渋すぎる脇役のメンツは気になるが、いまとなってはよく見る並びではあるかもしれない。

◆『人は見た目が100パーセント』(フジテレビ/木曜22時/桐谷美玲主演/4月13日スタート)
http://www.fujitv.co.jp/hitopa/index.html
漫画原作。女子力ゼロのリケジョ(理系女子)が主人公のラブコメ。
タイトルといい設定といいだいぶコメディ要素強そうだが、それを漫画のままではなく、上手くドラマのテンションに落とし込めるかどうか。
漫画を漫画のノリのままやって上滑りしてしまうドラマが昨今多い印象。

◆『ツバキ文具店~鎌倉代書屋物語~』(NHK総合/金曜22時/多部未華子主演/4月14日スタート)
http://www6.nhk.or.jp/nhkpr/post/original.html?i=09460
本屋大賞ノミネート作品のドラマ化。
何もかもが落ち着いている。

◆『リバース』(TBSテレビ/金曜22時/藤原竜也主演/4月14日スタート)
http://www.tbs.co.jp/reverse_tbs/
湊かなえ原作。『夜行観覧車』『Nのために』のチームがおくるヒューマンミステリー。
キャストは他に戸田恵梨香、玉森裕太、小池徹平、YOUなど。
『Nのために』が良かったので、この制作チームの手掛けるミステリーには内容的に期待できるはず。
ただ気になるのは、主演の藤原竜也とこのチームが作り出す重厚な空気感の相性。

◆『女囚セブン』(テレビ朝日/金曜23時15分/剛力彩芽主演/4月21日スタート)
http://www.tv-asahi.co.jp/joshu-7/
剛力彩芽、山口紗弥加、トリンドル玲奈、橋本マナミ、安達祐実らによる女子刑務所内マウント合戦。
深夜帯ならではの「変わり種」として気になる。

◆『4号警備』(NHK総合/土曜20時15分/窪田正孝、北村一輝主演/4月8日スタート)
http://www.nhk.or.jp/dodra/yongou/
警察ならぬ民間警備会社によるボディガード、“身辺警護” の最前線を描く物語。
警察ものが多い中、「現場で活躍する刑事からちょっと外した設定」というのも多いが、「警備員」までいくともはやまったくの別世界なのか、あるいは似たような展開が待っているのか。
おそらく後者である予感。

◆『ボク、運命の人です。』(日本テレビ/土曜22時/亀梨和也主演/4月15日スタート)
http://www.ntv.co.jp/boku-unmei/
キャストは他に木村文乃、山下智久ほか。
脚本は『きょうは会社休みます。』『世界一難しい恋』の金子茂樹。
コメディ要素強めで安っぽいようにも見えるが、結果を出している脚本家ゆえに注目作か。

◆『架空OL日記』(日本テレビ/土曜深夜1時55分《初回は3時20分》/バカリズム主演/4月15日スタート)
http://www.kaku-ol.jp/
バカリズム原作/脚本/主演。
同作はブログ→書籍化→ドラマ化という経緯だが、最初のブログ連載が2006年にスタートしていることを考えると11年越しのドラマ化。
OL目線で書いたものをドラマ化して、バカリズム本人が主演ということはどうなるのかと思いきや、HPを見る限り特にヅラも派手なメイクもないままいつもの顔で制服だけ着てしれっとOL役。それでちゃっかり周囲にフィットしている感じが面白い。

◆『小さな巨人』(TBSテレビ/日曜21時/長谷川博巳・岡田将生主演/4月16日スタート)
http://www.tbs.co.jp/chiisanakyojin_tbs/
なんといっても『半沢直樹』チームによる作品。
《警視庁と所轄の確執、警察内部の戦いを克明に描く警察エンターテインメントドラマ》であり、《謎解きを重視した本来の警察ドラマとは一線を画した、今までにはない“リアルな警察の姿”そして“人”を描く》とのこと。
そういわれるとやはり『踊る大捜査線』を連想するが、日曜劇場枠の特性からするとよりシリアスな方向だろうか。
全方位的に隙がなく、すでにクオリティは保証されたようなものだが、何もかもが正統派すぎるのがプラスに働くかマイナスに働くか。

◆『櫻子さんの足下には死体が埋まっている』(フジテレビ/日曜21時/観月ありさ主演/4月23日スタート)
http://www.fujitv.co.jp/sakurakosan/index.html
ラノベ原作。主人公は骨格標本を組み立てる「標本士」とのこと。
マニアックすぎる設定+放送枠のマイナス実績により、観る側にとってはかなりハードルが高い。
そういえば近ごろ、『IQ246』の中谷美紀や『ON 異常犯罪捜査官・藤堂比奈子』の波瑠もそうだったが、「死体に異様な興味を持つ」系の女性キャラが多い。

◆『フランケンシュタインの恋』(日本テレビ/日曜22時30分(初回のみ22時)/綾野剛主演/4月23日スタート)
http://www.ntv.co.jp/frankenstein_koi/
怪物と人間、年の差100歳のラブストーリー。
いくら日常に放り込んだとしても、それが結構なイケメンであったとしても、さすがにフランケンシュタインに感情移入するのは難しいのではないか。
主題歌はRADWIMPS。
ちなみに今期テレ東深夜『100万円の女たち』ではRADの野田洋次郎が主演。
『君の名は。』大ヒットの余波にしては、時すでに遅しの感も。

【今期おすすめの注目作】
◎『小さな巨人』
 日曜劇場枠+『半沢直樹』スタッフで鉄板か。
○『ボク、運命の人です。』
 脚本家が好調「日テレ水10枠」のヒットメーカー。
○『リバース』
 安定の湊かなえシフト。ただし役者陣がやや地味か。
△『貴族探偵』
 不調の月9だが、『ヤバ妻』脚本家のとんでも展開に期待。

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ドラマ『嘘の戦争』感想ツイートまとめ vol.2

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【ドラマ『嘘の戦争』感想ツイートまとめ vol.1】
http://arsenal4.blog65.fc2.com/blog-entry-335.html

















【喜怒哀楽を越えてほくそ笑む草彅剛の怪演が光る『嘘の戦争』~2017冬ドラマ初回レビュー~】
http://arsenal4.blog65.fc2.com/blog-entry-333.html

『就活家族~きっと、うまくいく~』/容赦なき「因果律」がもたらす拡散と集約のダイナミズム

就活家族

今どき珍しいほどに「因果律」の厳しいドラマだった。視聴者のリアクションから逆算した「ご都合主義」が蔓延する昨今のドラマ界において、ここまで硬派な作品は貴重であり、むしろ新鮮ですらあった。

ドラマの原動力とは、基本的に「火事場の馬鹿力」である。人間が追い込まれた時にどんなアクションを起こし、何を言い出すのか、誰もがそれを観たがっている。

しかしそこでより重要なのは、実際にキャラクターが発揮する「馬鹿力」のほうよりも、実のところ「火事場」という危機的状況のほうである。まずは「火事場」というピンチに追い込まれなければ、人は「馬鹿力」を発揮しようがないからだ。ピンチでもないのに「馬鹿力」を発揮するキャラクターは、文字通りの「馬鹿」に見えてしまう。

登場人物の言動が状況にどんな影響を与え、どのように動かしていくのか。その影響がポジティブであるほど良いような気がついしてしまうが、そんなキャラクター思いの展開をこそ「ご都合主義」と呼ぶ。観ているほうは、「なんかこの人たち、ほっといてもうまくいくんじゃないの?」という気分になり、それならば「じゃあ観なくてもいいか」となってしまう。「火事場」の予感がない作品を、人はなかなか観ようとは思わない。

その点、観る者を惹きつける作品とは、登場人物の言動が、いちいちこれでもかというくらい状況にネガティブな影響を与え続ける作品のことである。良いことが起こったあとにも、その影響で必ず副作用的に悪いことが起こる。そして状況の悪化は、さらに悪い状況をもたらす。それはまた、人から人へと連鎖してゆく。

実のところ当初、タイトルに取ってつけたように含まれている「~きっと、うまくいく~」というフレーズに、一抹の不安を感じていた。昨今の無責任なポジティブ・シンキングを押しつけるJ-POPの歌詞のように、あまりにアバウトな楽観がそこに見えたからだ。

しかし作品を最後まで観た今となっては、その希望的フレーズが、むしろ家族の追い込まれた絶望的な現状を示唆していたということに気づく。「(この先)きっと、うまくいく」というのは、「(いまのところ)全然うまくいっていない」ということだから。とはいえ題名につけ加えられたこの一節は、ドラマを観る前の視聴者にとっては蛇足であるのも確かで、少なからず作品の「ハク」を損なうものであったかもしれない。

一流企業の人事部長である父(三浦友和)、私立中学の教師である母(黒木瞳)、宝飾メーカーで働きはじめた娘(前田敦子)、就職活動中の息子(工藤阿須加)。それぞれの周囲に致命的な問題が発生し、それに手を打てどもなかなか上手くいかず、あるいはむしろ事態の悪化を招きさえする。そして家族四人が各個に抱えていた複数の問題が、もがけばもがくほどにこじれていく中でやがて複雑に絡まりあい連鎖。互いの状況に思いがけぬ影響を与えあいながらひとつの大きな渦を形勢し、最終的には「家族」という大もとのテーマへと回帰してゆく。

その「拡散」と「集約」のプロセスは、コンパクトな設定に反して非常にダイナミックな道のりであった。いや日常に則したコンパクトな設定であるからこそ、ちょっとした心の動きすらダイナミックに感じられたのかもしれない。そしてそのダイナミズムの源泉には、「何をやっても上手くいかない」というもどかしさを多分に含んだ厳しい「因果律」がある。

「近ごろのドラマはご都合主義が目に余る」と感じている人にこそ、観てほしい本格派ドラマである。なにも猟奇殺人や不治の病に頼らずとも、スリルや緊張感を生み出すことは充分に可能であると見事に証明してみせた力作。

ドラマ『嘘の戦争』感想ツイートまとめ vol.1

嘘の戦争ロゴ正方形

2017年1月スタートの冬ドラマの中で、最も楽しんで観ている『嘘の戦争』。
その感想ツイートがいつの間にかだいぶたまってきたので、ここにまとめて置いてみます。



















【喜怒哀楽を越えてほくそ笑む草彅剛の怪演が光る『嘘の戦争』~2017冬ドラマ初回レビュー~】
http://arsenal4.blog65.fc2.com/blog-entry-333.html

喜怒哀楽を越えてほくそ笑む草彅剛の怪演が光る『嘘の戦争』~2017冬ドラマ初回レビュー~

嘘の戦争

「草彅剛・復讐シリーズ」第2弾と銘打ったこの『嘘の戦争』。「いつのまにシリーズに?」という疑問はさておき、その第1弾にあたる『銭の戦争』が素晴らしかったので今作も期待していたのだが、やはり初回から期待を裏切らない面白さ。このキャスト・スタッフが再集結した意義を強く感じさせるスタートを切った。

とはいえこのドラマには事前からいくらかの不安要素もあって、それは今作が「オリジナル脚本」であるという点。前作『銭の戦争』が韓国の大ヒットドラマのリメイクであったことを考えると、ドラマの土台となる原作の部分が抜けた状態であのクオリティを保てるのかどうか、という心配はあった。

そもそも「シリーズ」とはいっても、ストーリーにしろキャラクターにしろ、基本的に前作との関連性はなく、たとえば草彅剛と大杉漣の共演など、一部に共通点が観られる程度。ゆえにプロットの充実していた前作のクオリティを同レベルで引き継ぐ、というのはかなり難しいと思われたのだが、蓋を開けてみれば「主人公の復讐戦」というテーマの核心部分がきっちりと受け継がれ、早くも前作同様にめくるめく心理戦が展開されている。

しいて言えば、物語をタイトかつスピーディーに展開したいあまり、ややご都合主義的というか、今のところ人が狙い通りに動きすぎているのが少し気にはなる。だがそこは初回特有の「力み」でもあるだろうし、実際にその展開の「速さ」と「密度」は物語の駆動力向上に一定の効果を挙げている。

そして何よりも本作で魅力を放っているのは、いま最も「ほくそ笑む」表情が似合う俳優・草彅剛の食わせ者感あふれる演技である。今回彼が演じる一ノ瀬浩一という人物は、その心の奥底に感じられる芯の強さという意味においては、『銭の戦争』で彼が演じていた白石富生に通じる部分もある。しかしキャラクターとしてはむしろ、詐欺師という役柄も相まって、前作で渡部篤郎が演じていた赤松大介のほうに近い。

『銭の戦争』における渡部篤郎の、冷静さと狂気を共存させた演技はまさに「怪演」と呼ぶべきもので、作品をワンランク上へと押し上げる力を持っていたが、今作においてはまさにその役割を草彅剛の演技が担っている。

役者というのはある段階から、単なる見た目の格好良さを越えて、喜怒哀楽の入り交じった状態や、善悪が入り乱れる人間臭いキャラクターを演じるステージへと突入してゆく。

かつての松田優作がそうであったように、渡部篤郎はすでにその領域における第一人者だと個人的には捉えているが、そんな実力者との共演経験を経て、草彅剛もまた役者としてのネクストステージへと駆け上がっている。そんな気迫が画面を越えて伝わってくる。

そもそも「喜怒哀楽」なんてものは、単なる便宜上の分類でしかなくて、人間の感情は本来分類不可能なものだ。たとえば100%混じりっけのない「喜」という感情があるかといえば疑わしく、そこにちょっとだけ哀しみが混じっていることもあれば、どこかに怒りが混ざり込んでいることだってある。当然「喜怒哀楽」の四つ以外にも様々な感情があるし、まだ言葉になっていない感情だってきっとたくさん存在する。

もちろん「善悪」に関しても同様で、世の中の多くの事柄は、そのどちらかにキッパリと分類できるものではない。そういった便宜上の分類とは別の、不可分の領域、あるいは複数の感情がクロスオーバーして混沌としている領域というのがたしかにあって、作品の面白さを支えるリアリティというのは、そういった未知の領域を表現できるかどうかにかかっている。

そしてその領域へと達するにはまず、あらゆる既存の感情を疑ってかかることが必要で、そのためには自分自身をいったん突き放したうえで嗤うような、皮肉めいたユーモアが不可欠である。俳優・草彅剛にはそれが備わっているのだと思う。

彼の持つ冷めたユーモアの感覚は、長年バラエティで共演してきたタモリから受け継がれたものなのかもしれない……というのは僕のようないちタモリファンの掲げる理想論に過ぎないのかもしれなくて、実際のところ以前にも、『いいとも』最終回の際に披露された中居正広のスピーチに関して、ここにほぼ同じようなことを書いている。

【『笑っていいとも!グランドフィナーレ 感謝の超特大号』~模倣困難なタモリイズムの継承~】
http://arsenal4.blog65.fc2.com/blog-entry-269.html

と、なんでもかんでもタモリを通して考えてしまうのはタモリ本人にしても荷が重いかもしれないが、プライベートでもつきあいのある草彅剛がその背中から「表現における本質的な何か」を学んでいたとしてもなんら不思議はない。いずれにしろ草彅剛がいま、最も魅力的な役者の一人であることに変わりはない。

本作にはその他にも、『私 結婚できないんじゃなくて、しないんです』でキャラクターの幅をグッと広げてきた藤木直人や、『HOPE~期待ゼロの新入社員~』でプレーンな輝きを見せた山本美月、そしてもちろん前作に続きいぶし銀の存在感で作品に奥行きを加える大杉漣など、周囲の役者陣も魅力的なラインナップが揃う。

とりあえず、この時点で出せる要素を全力で詰め込んでみせた印象のある初回。そのぶん今後へのハードルが上がったとも言えるが、オリジナル脚本で前作に匹敵、あるいは凌駕することができるのか、役者陣の表現力とカンテレドラマ班の底力に期待しつつ観ていきたい、今期最注目作品である。


◆前作レビュー【俳優陣の名演怪演と半沢リベンジ型脚本が光る『銭の戦争』】
http://arsenal4.blog65.fc2.com/blog-entry-287.html